高血圧症とは

従来どおり、診察室血圧で 140/90mmHg以上 が高血圧とされますが、家庭で測る家庭血圧では135/85以上が高血圧と定義されています。

全国の調査結果において、高血圧患者は約3,450万人にのぼると推計されます。

この高血圧症の要因としては、食生活の乱れ・運動不足・喫煙・ストレスといった生活習慣が密接に関連しています。

治療の基本は生活習慣の改善(運動療法・食事療法)と薬物治療があります。

高血圧症の運動療法

運動療法の降圧効果

高血圧患者において習慣的な有酸素運動は、収縮期血圧を8.3mmHg低下、拡張期血圧を5.2mmHg低下させる効果があります。

運動療法の適応者

収縮期血圧<180または拡張期血圧<110mmHg、脳心血管病のない高血圧患者が適応となります。

収縮期血圧≧180または拡張期血圧≧110mmHgの場合は内服治療を優先します。

運動種目

有酸素運動を中心とした種目として、
ウォーキング、速歩、水泳、エアロビクスダンス、スロージョギング(歩くような速さのジョギング)、サイクリング、ベンチステップ運動などの大きな筋をダイナミックに動かす身体活動が推奨されています。

運動強度

高強度の運動は血圧上昇が著明であるため、自覚的運動強度として、中等度「ややきつい」と感じる程度の運動強度が推奨されています。


中等度の運動強度有酸素運動を行うことが勧められています(運動時心拍数が50歳未満で100-120拍/分、50歳以降で100拍/分以内)。

中等度以上の運動
うっすら汗ばむくらいの早歩き、何とか会話のできるくらいの早歩き、立ち仕事、歩き回る仕事、洗車、窓拭きなど

運動頻度・時間

1日の合計30分以上の有酸素運動を毎日続けることが望ましいです(少なくとも週3日)。

高血圧症の食事療法

高血圧を防ぐ飲料

  • ココア
    ココアにはカカオフラバノールという成分が含まれており、このカカオフラバノールが血圧を低下させる可能性があるという研究報告があります。
    ただし、無糖のものを選びましょう。
  • 緑茶
    緑茶も血圧を下げる可能性が報告されている飲み物のひとつです。
    血圧を下げる作用があると報告されているカテキンやタンニンなどのポリフェノールが含まれている他に、利尿作用があるカフェインが含まれており、それらが複合的に高血圧の改善に関係していると考えられます。
  • 食酢
    食酢にも、高めの血圧を下げる効果を示す報告があります。
    主成分である酢酸の代謝産物であるアデノシンが血管拡張作用を持っているので、血圧の低下に繋がると考えられています。
  • 牛乳
    牛乳をはじめとする乳製品も、血圧を下げる可能性が報告されています。
    カルシウムを摂取すると血圧が下がることがわかっています。牛乳にはカルシウムが多く含まれており、これが血圧に影響を与えると考えられています。またカゼインや乳清たんぱく質という乳製品特有の物質が血圧を下げる作用を示す可能性もあるとされています。
  • 食塩無添加のトマトジュース
    食塩無添加のトマトジュースも、血圧を下げる効果が期待できます。
    トマトの中に含まれるGABA(γ-アミノ酪酸)というアミノ酸の一種には血圧を下げる作用があることが報告されています。
    GABAは脳内の神経伝達において、リラックス作用をもつ物質です。ストレス緩和効果などもあるとされ、機能性食品素材として注目を集めています。注意点としては、食塩が入っていないものを選ぶことです。血圧を下げるためには塩分制限が大切ですので、無塩のものを選ぶようにしましょう。

DASH食+減塩食が効果的

  • 食塩制限(食塩6g/日未満)
  • 野菜・果物の積極的摂取
  • コレステロール・飽和脂肪酸の制限

「DASH食」;高血圧を防ぐ食事

DASH=Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事方法)の略語で、アメリカで行われた調査・研究からまとめられた血圧の改善に高い効果がある食事のことです。
様々な食品を”組み合わせる”ことでより効率的に血圧を下げると考えられています。

DASH食には2つのポイントがあります。

脂肪の肉類やお菓子を減らし、青魚・大豆製品を食べよう

飽和脂肪酸、トランス飽和脂肪酸を減らし、不飽和脂肪酸を増やしましょう

飽和脂肪酸の多い食品
肉類の脂身、鶏肉の皮、ラード、バター、乳脂肪、生クリーム、チーズ、即席麺など
トランス脂肪酸の多い食品
菓子パン、揚げ物類、スナック菓子(マーガリン・ショートニングに多い)、パイ菓子、クッキー類をはじめとした市販の洋菓子類など
不飽和脂肪酸の多い食品
サバ・サンマ・ブリ・イワシなど青魚、大豆製品
野菜や海藻、果物、ナッツ類、全粒穀物を十分にとる

塩分を排出する働きのあるカリウムをはじめ、カルシウム、マグネシウムのミネラルを多く含む果物、食物繊維を多くとることで、血圧を下げる効果が期待できます。

野菜を毎食とり、ミネラルが効率よくとれる大豆製品、乳製品、バナナ、アボカド、ブロッコリー、ナッツ類、いわし、しらすなどを積極的に摂取しましょう。