ピロリ菌外来

ピロリ菌感染診断は

胃がん予防に重要

年に数回や慢性的に胃痛や胃もたれのある方はピロリ菌感染があるかもしれません。放置すると胃がんのリスクは上昇してしまいます。
若年のうちに一度は胃カメラを受けることをお勧めします。

ピロリ菌外来のご確認事項

ピロリ菌抗体偽陽性のお話

検診で受けられるピロリ菌抗体検査は偽陽性のことがよくあります(本来ピロリ菌感染がないにもかかわらず陽性となる)。
ご持参される検診結果次第では尿素呼気試験というピロリ菌検査を当院で受けて頂くことになります。ご来院の際は念のため、8時間以上の絶食でご来院お願いします(お茶、お水は可)。

ピロリ菌除菌には胃カメラは必須

  • ピロリ菌陽性が判明している方でも、胃カメラを受けられてない方は胃カメラ予約をお願いします。
  • 検診でピロリ菌陽性を指摘され、かつ、胃カメラを受けられている方は検診結果を必ず持参されるようお願いします。
  • ピロリ菌検査を希望される方は、ピロリ菌検査のみで診断するのは保険上も認められていませんし、医学的な知見からもふさわしくありません。必ず、胃カメラ予約をお願いします。

ピロリ菌とは

ピロリ菌胃カメラ

胃の中に住む細菌で、胃の粘膜にくっつき、毒素を出して、胃に炎症を起こします。
ピロリ菌はウレアーゼという酵素を持ち、自身のまわりにアンモニアを作ります。このアンモニアで胃酸を中和して、酸性の胃の中に住んでいます。
また、ピロリ菌は胃炎や胃潰瘍、胃がんなどを引き起こす原因となることが明らかになっています。
幼少期に感染すると言われており、経口感染と考えられています。また、一度ピロリ菌に感染すると、一生の付き合いとなってしまいます。
日本では60歳以上の世代での感染率が高い反面、衛生環境が整った時代に生まれた若い世代の感染率は低くなっています。

ピロリ菌感染の検査方法

ピロリ菌を見つける検査には大きく分けると


1.胃カメラを使う方法2.胃カメラを使わない方法


があります。

.胃カメラを使う方法


迅速ウレアーゼ試験

30分前後で結果が判明、当院のメイン検査

胃カメラを用いたピロリ菌検査の迅速ウレアーゼ試験

当日に除菌治療が可能。

胃粘膜を生検して施行。


組織鏡検法

結果判明には10日必要、当院では行ってません

胃カメラを用いたピロリ菌検査の鏡検法

採取した組織を染色し、顕微鏡で観察。菌のいない部分から採取すると偽陰性となることがある。


培養法

結果判明には5日必要、当院では行ってません

胃カメラを用いたピロリ菌検査の培養法

採取した組織を培養し、ピロリ菌がいるかどうかを調べます。


.胃カメラを使わない方法


尿素呼気試験

体への負担がなく、最も精度が優れています。
除菌治療をした後、判定に使われる検査法。

胃カメラを用いないピロリ菌検査の尿素呼気試験

検査薬服用前後の呼気を採取して調べます。所要時間30分程で、結果判明は5日必要です。空腹での検査となります。


抗体測定

血液検査のため簡便で結果判明には3日必要

胃カメラを用いないピロリ菌抗体検査

ヒトはピロリ菌に感染すると、抵抗力として菌に対する抗体をつくります。
血液中のこの抗体を調べる方法です。
血液検査のため簡便ですが、偽陰性・偽陽性も生じる。


便中抗原測定

結果判明には5日必要、当院では行っていません

ピロリ菌感染検査の便中抗原

採便してピロリ菌の抗原を調べます。
除菌治療判定に用いることもあります。


ピロリ菌が引き起こす病気

ピロリ菌感染による慢性的な炎症により、ほとんどの人が胃炎になると考えられ、この慢性的な炎症により、上記の疾患を引き起こすと考えられています。

年に数回や慢性的に胃痛や胃もたれのある方はピロリ菌感染があるかもしれません。慢性炎症を放置すると胃がんのリスクは上昇してしまいます。
若年のうちに一度は胃カメラを受けることをお勧めします

胃がんの発生母地

胃カメラ

ピロリ菌感染は生涯にわたり持続することが多く、結果として胃粘膜の胃酸を分泌する胃底腺を中心に萎縮してきます。
中高年になると萎縮は感染者の半数にみられます。
萎縮が高度になると、ついには胃の粘膜が腸の粘膜に置き換わります。
これらの変化は腸上皮化生と呼ばれ、胃がんの発生母地と考えられています。

腸上皮化生が生じている方は毎年の胃カメラをお勧めします。

ピロリ菌と胃がん

胃がん

胃がん発症にピロリ菌感染が大きく関わっていることや、除菌治療が胃がん予防に一定の効果を持つことがわかっています。
胃がんの方の98%はピロリ菌感染を認め、ピロリ菌感染は胃がんのハイリスク因子です。
ピロリ菌除菌後も定期的な胃がん健診をお勧めします。

除菌後も定期的に胃カメラを

除菌後の定期的な胃がん検診内視鏡

除菌後も胃がんになる可能性はゼロではありません。
除菌治療によって胃がんの発生が3分の1に減少することがわかっています。
しかし除菌に成功した人も未感染者と比較すると、胃がんになる危険性は約50倍あります。
ピロリ菌除菌後も定期的な胃がん健診をお勧めします。

ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌除菌療法の治療薬

2015年2月に発売されたタケキャブにより、成功率はグンと向上して、1回目(ボノサップ)で除菌成功する可能性は90%です。
朝と夕方(食前・食後・空腹でも内服可能)に7日間内服します。
1次除菌できなかった場合は2次除菌(ボノピオン)を行います。
この1次、2次除菌でほとんどの方が除菌に成功します。

ピロリ菌除菌治療の判定(尿素呼気試験)

除菌判定を行う時期について

ピロリ菌除菌薬内服後、最低4週(当院では8週以上)で除菌できたか尿素呼気試験で判定します。

尿素呼気試験について

検査前の準備

  • 検査当日のお食事は、検査の8時間前までに済ませて下さい。
  • 水とお茶は検査直前まで飲んでも構いませんが、ジュースは控えて下さい。
  • 検査前2週間は、PPI(※胃薬・逆流性食道炎のお薬)は内服しないようにお願いします。

※ PPI(プロトンポンプインヒビター):タケキャブ、ネキシウム、パリエット、タケプロン、エソメプラゾール、オメプラゾール、オメプラール、ラベプラゾール、ランソプラゾールなど

方法

胃カメラを用いないピロリ菌検査の尿素呼気試験
  1. 袋に呼気(吐く息)を入れます
  2. 薬を水100mlで噛まずに飲みます
  3. ベッドに左を下にして横になり5分間待ちます
  4. 起き上がって15分間座った状態で過ごします
  5. 新しい袋に呼気を入れて終了です

よくある質問

ピロリ菌検査は胃カメラを受けないとできませんか?

胃カメラをせず、ピロリ菌検査と除菌治療は行えません。
詳しくはこちら

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