ページトップへ戻る

胃カメラ予約
診療予約
お問い合わせ
ピロリ菌外来
ピロリ菌の感染経路と
自然消滅について

 まだはっきり解明されていませんが、以前は不完全に処理された生活用水に混入したピロリ菌による感染が疑われていましたが、衛生環境がよくなった現在では、ピロリ菌感染者の唾液を介した感染が考えられています。ピロリ菌の感染獲得時期については、胃酸の分泌や胃粘膜の免疫能の働きが不十分な幼小児期に成立すると考えられています。離乳食が開始される生後4~8か月の時期の保護者による“点離乳食を噛んで与える行為” が考えられています。なお、成人における感染は急性胃粘膜病変を起こすことはありますが、一過性感染で終わる可能性が高いと考えられています。 ピロリ菌は一度持続感染が成立すると自然消滅することは稀で、除菌や胃粘膜の高度萎縮などの環境変化がないかぎり感染が持続すると考えられています。内視鏡的に萎縮性胃炎を認めるにも関わらず、種々の検査でもピロリ菌陰性を示す方がおり、本人も知らないうちに抗菌薬内服などにより自然除菌されているケースもあります。

検査から除菌までの流れ

 ピロリ菌に感染することで、胃ガン、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎など、さまざまな病気の発症リスクが高まります。そのため、胃カメラで胃の状態を観察することが必須となります。 保険診療上、胃カメラにてピロリ菌感染が疑われる場合にのみピロリ菌の感染診断を行うことが認められています。つまり、ピロリ菌感染があるかどうか知りたい時は胃カメラを受けることが必要です。
ピロリ菌感染は知りたい、でも胃カメラが苦手な方へ:一度当院受診し、ご相談下さい。

ピロリ菌検査について

 ピロリ菌の検査には、次のような内視鏡(胃カメラ)検査を使わない方法と、内視鏡検査を使う方法があります。

内視鏡検査を使わない方法
1. 抗体測定(採血、検尿)

ピロリ菌に感染すると体の中に抗体ができます。血液中や尿中などに存在するこの抗体の有無を調べる方法です。最も簡便な検査方法の1つで、過去の感染でも陽性になるため、除菌判定には不向きです。

※検査当日の朝は朝食を召し上がっても差し支えありません。
※検査結果のご報告は約1週間後になります。
2. 尿素呼気試験法

検査薬を服用する前後の呼気を採取するだけの簡単かつ最も精度の高い検査(20分程度)です。ピロリ菌感染の有無だけでなく、除菌療法の効果を判定するために行います。

2. 尿素呼気試験法
午前来院の方:検査当日の朝は、絶食で当院にお越しください。
午後来院の方:検査当日の朝食は午前9時までに済ませ、昼食は抜いて当院にお越しください。

※検査前の2時間は飲水及び喫煙を控えてください。
※検査結果のご報告は約1週間後になります。
※プロトンポンプ阻害薬(オメプラール、ネキシウム、パリエット、タケプロン、オメプラゾン、タケキャブ等)を服用している場合は偽陰性を防ぐために2週間の休薬が必要です。 
3. 糞便中抗原測定

糞便中のピロリ菌を調べる検査で、現在ピロリ菌に感染しているかどうかがわかります。除菌前の感染診断と除菌療法後の除菌判定に推奨されています。

※プロトンポンプ阻害薬(オメプラール、ネキシウム、パリエット、タケプロン、オメプラゾン、タケキャブ等)を服用している場合は偽陰性を防ぐために2週間の休薬が必要です。
※検査結果のご報告は約1週間後になります。
※検査当日の朝は朝食を召し上がっても差し支えありません。
※検査結果のご報告は約1週間後になります。
注意点
どんな検査も100%正しいとは限りませんので、1種類の検査を1回だけ行う場合には間違う可能性があります。胃カメラにてピロリ菌陽性、陰性を示す特徴的な慢性胃炎(萎縮性胃炎)を認めてピロリ菌検査を行う必要があります。
胃カメラを施行しない場合はピロリ菌感染診断を保険診療で行うことができません。健診などですでに胃カメラを受けている場合(過去1年以内)は、その限りではありません。
内視鏡検査を使う方法
4. 培養法

採取した胃粘膜を培養して菌の有無を判定する検査です。

※検査結果のご報告は約1週間後になります。
5. 病理検査(組織鏡検法)

採取した胃粘膜を顕微鏡で観察し、菌の有無を調べる検査です。ピロリ菌の有無だけでなく、炎症の強さや、癌細胞の有無、癌になりやすい胃粘膜の有無などを同時に診断できるメリットがあります。
菌の量が少ないと判定が難しいことがあります。

※検査結果のご報告は約1週間後になります。
6. 迅速ウレアーゼ検査

採取した胃粘膜を特殊な液と反応させ、色の変化を見て菌の有無を判定する検査です。この④~⑥の中では結果がより早く判明する迅速ウレアーゼ試験が一般的です。

※検査結果は、個人差はありますが30分前後(最終判定は2 時間)で判定可能です。
注意点
ピロリ菌陽性者でも、菌のいない部分から組織を採取すると偽陰性となることがあるので注意が必要です。
※④~⑥の検査ではプロトンポンプ阻害薬(オメプラール、ネキシウム、パリエット、タケプロン、オメプラゾン、タケキャブ等) を服用している場合は偽陰性を防ぐために2週間の休薬が必要です。
ピロリ菌除菌治療の
適応疾患について

 胃カメラにて慢性胃炎(萎縮性胃炎)と診断され、ピロリ菌検査陽性の方はピロリ菌感染胃炎の病名で適応が
あります。

・慢性胃炎(萎縮性胃炎)
・ピロリ菌感染胃炎
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
【その他】
・早期胃癌に対する内視鏡治療後の方
・胃MALT リンパ腫
・特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

除菌治療について

 通常は3種類の薬を朝夕2回、7日間服用するだけです。
初回の除菌には、胃酸の分泌をおさえる胃薬と2種類の抗生物質を用います。約9割以上の方は除菌に成功します。

注意点
薬の飲み間違い、飲み忘れ、自己判断などで薬を減らすと、除菌に失敗する率が増え、しかも抗生物質が効かない耐性菌を作ってしまう可能性があります。ペニシリンアレルギーといわれたことのある方は、薬を飲み始める前に必ず相談してください。
ボノサップ
除菌に失敗したら
再除菌の方法

通常は3種類の薬を朝夕2回、7日間服用するだけです。 初回と同じですが薬が違います。通常は、初回使用したクラリスロマイシンという薬をメトロニダゾールという薬に変更します。再除菌では、98%の方が成功します。

ボノピオン
除菌治療の副作用について

除菌治療の主な副作用は以下のものが報告されています。いずれの副作用も一時的なものと考えられています。

・下痢・軟便

頻度として最も多く、約10~30%の方に起こります(予防対策として整腸剤を内服することもあります)。
1日2、3回の下痢・軟便であれば、薬の量を減らしたり中止したりせず、最後まで薬を飲んで下さい。

・味覚異常

食べ物の味がおかしく、苦味や金属のような味がすることが5~15%の方に起こります。

・皮膚の異常

皮膚に異常が現れることがあります。

注意点
2~5%の頻度で、ひどい下痢、便に血がまじる、皮膚のひどい異常などが起こることがあります。このような場合は、薬の内服を中止して、すぐにご連絡下さい。
除菌治療後について

除菌が成功した後で、胃酸が食道に逆流して、胸焼けなどの症状が起こることがあります。これを逆流性食道炎といいますが、一時的なものが多く、重篤な症状になることはまれですのでご安心下さい。

注意点
除菌が成功した後でも、胃がんが発見されることがあります(未感染者より50倍くらい胃癌になりやすい、具体的には数年以内にピロリ菌除菌成功者100人のうち1~2人の割合で胃癌が発見されます。)ので、必ず定期的に胃カメラを受けるようにして下さい。