新型コロナ治療薬「ゾコーバ」について

新型コロナウイルスの今夏の感染拡大を懸念する声が高まっています。
感染症法上の位置付けが「５類」に移行する直前の数値と比較すると、直近の医療機関１カ所当たりの平均患者数は約４倍に増加しました。当院でも抗原検査陽性率は現在7割弱(7月8日現在)となっております。新型コロナは毎年夏に猛威を振るっており、専門家は「第９波」に向けた対策を呼び掛けています。
当院では日本製の新型コロナウイルス内服薬の「ゾコーバ」を積極的に処方しております。
投与対象となるのはCOVID‐19に感染した、軽症の患者さんも含め全員の方です（年齢は12歳以上の方）。
主に高熱がある方や、咳やのどの痛みが強い方など、症状が強く出ている患者さんに処方しています。
当院では既に多くの患者さんにゾコーバを提供しており、安全にご使用いただいています。

1. ゾコーバは、コロナウイルスが作られるのに必要な酵素（こうそ）の働きを邪魔し、コロナウイルスが体内で増えるのを抑える薬です。薬の効果や安全性を調べる試験では、飲み始めて4日目にはコロナウイルスの量が30分の1になり、ゾコーバを飲んでいない患者さんと比べ、新型コロナウイルスの特徴的な次の５つの症状が消えるまでの時間が約24時間短縮できたという結果が出ています。
   • 咳
   • のどの痛み
   • 鼻水・鼻づまり
   • 発熱・熱っぽさ
   • 倦怠感（けんたいかん）

イメージとしてはインフルエンザに使うタミフルのような感じでしょうか。

2. 新型コロナウイルス感染後の後遺症の予防に期待ができます。

ゾコーバの飲み方は？

次の量を、5日間連続で飲む薬です。

1日目：1回3錠

2～5日目：1回1錠

妊娠されていれる方、妊娠の可能性のある方には、処方することができません。
妊娠していなくても内服後は、2週間の避妊が必要とされています。不妊治療をされている方も注意が必要です。
また飲み合わせが問題となる薬剤も多いのですが、一般的に頻用されていないお薬が多数含まれますので、こちらに関しては大きな問題はないかと思います。
投与前にお薬手帳を確認するなど、慎重な対応が必要です。 
早期発見・早期治療も大切ですが、ワクチンや予防行動で感染しないように努めることも重要ですので、引き続き感染予防対策をお願いいたします。