高血圧症とは
全国の調査結果において、高血圧患者は約3,450万人にのぼると推計されます。
この高血圧症の要因としては、食生活の乱れ・運動不足・喫煙・ストレスといった生活習慣が密接に関連しています。
治療の基本は生活習慣の改善(運動療法・食事療法)と薬物治療があります。
運動療法として、運動の頻度は定期的に(できれば毎日)実施し、運動量は30分以上、強度は中等度(ややきつい)の有酸素運動が一般的に勧められています。運動療法により降圧効果が得られ、高血圧症が改善されます。
運動療法の降圧効果
高血圧患者において習慣的な有酸素運動は、収縮期血圧を8.3mmHg低下、拡張期血圧を5.2mmHg低下させる効果があります。
運動療法の適応者
運動療法はⅡ度高血圧以下(収縮期血圧<180または拡張期血圧<110mmHg)の血圧値で脳心血管病のない高血圧患者が適応となります。
Ⅲ度高血圧(収縮期血圧≧180または拡張期血圧≧110mmHg)を超える場合には降圧後に実施することとなっています。
運動種目
ウォーキング(速歩)・ステップ運動・スロージョギング・ランニングなどの有酸素運動。
運動強度
定期的に(できれば毎日30分以上)運動を行います。
運動頻度・時間
低・中強度の運動は収縮期血圧の上昇はわずかであるのに対して、高強度の運動は血圧上昇が著明であるため、自覚的運動強度として、中等度「ややきつい」と感じる程度の運動強度が推奨されています。
掃除・洗車・子供と遊ぶ・自転車で買い物に行くなどの生活活動の中で身体活動量を増やすことからはじめることも重要です。
例えば1回の運動時間を長く設定し1週間の運動回数を減らすか、運動強度を低く設定し1週間の運動回数を増やすなどの設定を個人に合わせて考えることができます。