「血圧が高いと言われたけど、どこからが高血圧?」
「家庭で測った血圧は診察室と違っていいの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
2025年に高血圧管理・治療ガイドラインが改訂され、
家庭血圧の重要性や、生活習慣改善の位置づけがより明確になりました。
この記事では、2025年版ガイドラインをもとに、
高血圧の基準値、家庭血圧の考え方、食事・運動療法について
わかりやすく解説します。
①【2025年】家庭血圧が重要な理由|血圧朝活キャンペーンとは
日本高血圧学会は2025年から「血圧朝活キャンペーン」を実施して、早朝高血圧の予防と改善を目的とした啓発活動を行っています。
起床時と眠前の血圧を測って記録するだけで、治療効果や生活習慣の見直しにも役立ちます。
早朝高血圧を管理することが重要
脳卒中の発症は、血圧が高くなる6時~10時の起床後が最も多いことがわかっています。
この時間帯は、以下のような身体の生理的変化が関係しています。
| 起床時の変化 | 影響 |
血圧の急上昇 (モーニングサージ) | 脳血管への負担が増す |
| 交感神経の活性化 | 心拍数・血圧の上昇 |
| 脱水(睡眠中の発汗) | 血栓ができやすい |
②高血圧の基準値【2025年版】|家庭血圧と診察室血圧
年齢・持病にかかわらず、一律
| 家庭血圧 | 135/85mmHg以上 |
| 診察室血圧 | 140/90mmHg以上 |
③高血圧の治療目標血圧|2025年ガイドライン
年齢・持病にかかわらず、一律
| 降圧目標 |
| 家庭血圧 | 125/75mmHg未満 |
| 診察室血圧 | 130/80mmHg未満 |
これまでは、年齢や持病の有無によって、目指すべき血圧の数値が細かく設定されていましたが、2025年より、年齢関わらず、一律となりました。
④高血圧の治療は生活習慣改善が基本|まず見直すポイント
ガイドラインでは、減塩・野菜摂取・肥満予防・十分な睡眠・運動・禁煙・節酒などの生活習慣改善が、薬よりも先に取り組むべき大切な治療とされています。
血圧が130/80を超えたら、まず生活習慣の見直しを行いましょう。
⑤高血圧を下げる食事療法|DASH食・減塩のポイント
高血圧を防ぐ飲料
- ココア
ココアにはカカオフラバノールという成分が含まれており、このカカオフラバノールが血圧を低下させる可能性があるという研究報告があります。
ただし、無糖のものを選びましょう。
- 緑茶
緑茶も血圧を下げる可能性が報告されている飲み物のひとつです。
血圧を下げる作用があると報告されているカテキンやタンニンなどのポリフェノールが含まれている他に、利尿作用があるカフェインが含まれており、それらが複合的に高血圧の改善に関係していると考えられます。 - 食酢
食酢にも、高めの血圧を下げる効果を示す報告があります。
主成分である酢酸の代謝産物であるアデノシンが血管拡張作用を持っているので、血圧の低下に繋がると考えられています。
- 牛乳
牛乳をはじめとする乳製品も、血圧を下げる可能性が報告されています。
カルシウムを摂取すると血圧が下がることがわかっています。牛乳にはカルシウムが多く含まれており、これが血圧に影響を与えると考えられています。またカゼインや乳清たんぱく質という乳製品特有の物質が血圧を下げる作用を示す可能性もあるとされています。
- 食塩無添加のトマトジュース
食塩無添加のトマトジュースも、血圧を下げる効果が期待できます。
トマトの中に含まれるGABA(γ-アミノ酪酸)というアミノ酸の一種には血圧を下げる作用があることが報告されています。
GABAは脳内の神経伝達において、リラックス作用をもつ物質です。ストレス緩和効果などもあるとされ、機能性食品素材として注目を集めています。注意点としては、食塩が入っていないものを選ぶことです。血圧を下げるためには塩分制限が大切ですので、無塩のものを選ぶようにしましょう。
DASH食+減塩食が効果的
- 食塩制限(食塩6g/日未満)
- 野菜・果物の積極的摂取
- コレステロール・飽和脂肪酸の制限
「DASH食」;高血圧を防ぐ食事
DASH=Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事方法)の略語で、アメリカで行われた調査・研究からまとめられた血圧の改善に高い効果がある食事のことです。
様々な食品を”組み合わせる”ことでより効率的に血圧を下げると考えられています。
DASH食には2つのポイントがあります。
脂肪の肉類やお菓子を減らし、青魚・大豆製品を食べよう
飽和脂肪酸、トランス飽和脂肪酸を減らし、不飽和脂肪酸を増やしましょう。
| 飽和脂肪酸の多い食品 |
|---|
| 肉類の脂身、鶏肉の皮、ラード、バター、乳脂肪、生クリーム、チーズ、即席麺など |
| トランス脂肪酸の多い食品 |
|---|
| 菓子パン、揚げ物類、スナック菓子(マーガリン・ショートニングに多い)、パイ菓子、クッキー類をはじめとした市販の洋菓子類など |
| 不飽和脂肪酸の多い食品 |
|---|
| サバ・サンマ・ブリ・イワシなど青魚、大豆製品 |
野菜や海藻、果物、ナッツ類、全粒穀物を十分にとる
塩分を排出する働きのあるカリウムをはじめ、カルシウム、マグネシウムのミネラルを多く含む果物、食物繊維を多くとることで、血圧を下げる効果が期待できます。
野菜を毎食とり、ミネラルが効率よくとれる大豆製品、乳製品、バナナ、アボカド、ブロッコリー、ナッツ類、いわし、しらすなどを積極的に摂取しましょう。
⑥高血圧を下げる運動療法|効果・強度・頻度
運動療法の降圧効果
高血圧患者において習慣的な有酸素運動は、収縮期血圧を8.3mmHg低下、拡張期血圧を5.2mmHg低下させる効果があります。
運動療法の適応者
収縮期血圧<180または拡張期血圧<110mmHg、脳心血管病のない高血圧患者が適応となります。
収縮期血圧≧180または拡張期血圧≧110mmHgの場合は内服治療を優先します。
運動種目
有酸素運動を中心とした種目として、
ウォーキング、速歩、水泳、エアロビクスダンス、スロージョギング(歩くような速さのジョギング)、サイクリング、ベンチステップ運動などの大きな筋をダイナミックに動かす身体活動が推奨されています。
運動強度
高強度の運動は血圧上昇が著明であるため、自覚的運動強度として、中等度「ややきつい」と感じる程度の運動強度が推奨されています。
中等度の運動強度の有酸素運動を行うことが勧められています(運動時心拍数が50歳未満で100-120拍/分、50歳以降で100拍/分以内)。
| 中等度以上の運動 |
|---|
| うっすら汗ばむくらいの早歩き、何とか会話のできるくらいの早歩き、立ち仕事、歩き回る仕事、洗車、窓拭きなど |
運動頻度・時間
1日の合計30分以上の有酸素運動を毎日続けることが望ましいです(少なくとも週3日)。
高血圧は、早期から正しく管理することで
脳卒中や心疾患のリスクを下げることができます。
家庭血圧が高いと言われた方や、
治療や生活習慣について不安のある方は、
広島市安佐南区の祇園わだ内科クリニックまでご相談ください。