運動療法の適応者

運動を実施する上での注意点としては、血糖がコントロールされていない1型糖尿病患者、空腹時血糖250mg/dL以上または尿ケトン体陽性者では、運動中に高血糖になることがありますので注意しましょう。


また逆に、インスリンや経口血糖降下薬で治療を行っている方の場合は低血糖になりやすいため、運動量の多い場合には、補食をとる、あるいは、運動前後のインスリン量を減らすなどの注意が必要です。

運動種目

糖尿病を改善させる運動として、有酸素運動レジスタンス運動の併用が推奨されます。
併用はそれぞれの運動単独よりも効果的に糖尿病を改善させることも報告されています。

最初は階段を使う、歩行時間を増やすなどから始め、運動を継続できるよう心がけましょう。

  • 有酸素運動;ウォーキングやジョギング、エアロビクス、サイクリング、水泳など、長時間継続して行う運動のこと
  • レジスタンス運動;スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操など、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動のこと。

有酸素運動により、内臓の脂肪細胞が小さくなることで肥満を改善し、インスリンの働きを妨害する物質の分泌が少なくなります。このため筋肉や肝臓の糖の処理能力が改善し、血糖値が安定します。

レジスタンス運動は、筋量の増加が糖の処理能力を改善させるため、血糖コントロールに有効です。

運動強度


中等度の運動強度有酸素運動を行うことが勧められています(運動時心拍数が50歳未満で100-120拍/分、50歳以降で100拍/分以内)。

中等度以上の運動
うっすら汗ばむくらいの早歩き、何とか会話のできるくらいの早歩き、立ち仕事、歩き回る仕事、洗車、窓拭きなど

運動頻度・時間

  • 1日の合計30分以上有酸素運動を毎日続けることが望ましいです(少なくとも週3日)。
  • 糖質と脂肪酸を効率よく代謝するために30分以上の持続が望ましいとされています。
  • 運動を実施するタイミングは、特に食後1時間後に行うと食後の高血糖状態が改善されます。
  • 糖代謝の改善は運動後12~72時間持続することから、血糖値を低下改善させるため、運動をしない日を2日間以上続かないように行う必要があります。
  • また、歩行運動の場合、1日8,000~10,000歩を目安としましょう。
  • レジスタンス運動では、連続しない日程で週に2~3回の実施が勧めらています。
    ただし、心疾患がある患者では高強度のレジスタンス運動の実施は勧められません。