脂質異常症とは

全国調査結果において、脂質異常症の患者は約2,200万人と推計されています。

脂質異常症の基準は、LDLコレステロール≧140mg/dL、HDLコレステロール<40mg/dL、中性脂肪≧150mg/dL、non-HDLコレステロール≧170mg/dLと定義されています。

脂質異常症の治療は、生活習慣の改善が根幹であり、薬物療法中も生活習慣の改善を行うべきとされています。

脂質異常症の運動療法

運動種目

有酸素運動を中心とした種目として、
ウォーキング、速歩、水泳、エアロビクスダンス、スロージョギング(歩くような速さのジョギング)、サイクリング、ベンチステップ運動などの大きな筋をダイナミックに動かす身体活動が推奨されています。

運動強度


中等度の運動強度有酸素運動を行うことが勧められています(運動時心拍数が50歳未満で100-120拍/分、50歳以降で100拍/分以内)。

中等度以上の運動
うっすら汗ばむくらいの早歩き、何とか会話のできるくらいの早歩き、立ち仕事、歩き回る仕事、洗車、窓拭きなど

運動頻度・時間

1日の合計30分以上有酸素運動を毎日続けることが望ましいです(少なくとも週3日)。

血中脂質レベルは1回の運動では影響を受けません。
そのため血中脂質レベルに好影響を与えるには数ヶ月以上の長期的な運動療法が必要となります。

HDLは「善玉コレステロール」として知られ、脂質異常症の進展を抑制する働きがあります。
HDLコレステロールを増加させることができる運動の最低条件として、1週間に合計120分間の運動を行わなければならないこともわかっています。

脂質異常症の食事療法

コレステロールを下げる食事

コレステロール値が高い方は

卵類(鶏卵や魚卵)、内臓類(レバーやモツ)を1~2カ月食べないようにしてみて、血中コレステロール濃度が下がるようならば、コレステロール摂取量の制限が効果的なタイプと考えられます。

ある程度コレステロール値が下がったら、2~3日に1回程度は食べても大丈夫でしょう。

飽和脂肪酸を減らす
飽和脂肪酸の多い食品
肉類の脂身、鶏肉の皮、ラード、バター、乳脂肪、生クリーム、チーズ、即席麺など

下記の食品には血中コレステロールを上げる作用のある飽和脂肪酸が多く含まれます。

これらの食品を控え、赤身肉や脂身をとり除いた肉を食べましょう。
牛乳も低脂肪乳にするとよいでしょう。

工業的に作られたトランス脂肪酸を減らす
トランス脂肪酸の多い食品
菓子パン、揚げ物類、スナック菓子(マーガリン・ショートニングに多い)、パイ菓子、クッキー類をはじめとした市販の洋菓子類など
不飽和脂肪酸を増やす
不飽和脂肪酸の多い食品
サバ・サンマ・ブリ・イワシなど青魚、大豆製品

不飽和脂肪酸(DHA、EPA)には、血液中のコレステロールや中性脂肪を減少させ、血液の循環をよくする効果があり、動脈硬化・心臓病・がんの予防につながります。
また、肉類・乳製品にも若干含まれますが、1日摂取量を補うことは難しいといわれています。

食物繊維を増やす

コレステロールを体外へ排泄するために、食物繊維の摂取量を増やしましょう。

食物繊維を多くとるには、主食を精白度の低い玄米、胚芽米や麦飯、全粒粉のパン、蕎麦などにし、3度の食事ごとにたっぷり2皿の野菜類・海藻・きのこ・こんにゃくなどを食べましょう。

豆類や大豆の加工品である納豆にも多く含まれています。

中性脂肪を下げる食事

中性脂肪は肝臓で余分な糖質から合成される

これを抑えるために、炭水化物エネルギー比率を50~60%の中で設定し、果糖を含む加工食品の大量摂取を控えましょう。

過剰なアルコールは中性脂肪の合成を高める

アルコール摂取制限は短期間で効果が現れるので、まずは禁酒か節酒をしましょう。
1日に日本酒なら1合、ビールなら500mL程度、ワインなら180mL程度までにしましょう。

EPA、DHAを積極的に摂取

EPA、DHAは肝臓で中性脂肪を作りにくくするため、積極的に摂取するようにしましょう。
これらは、青魚に多く含まれます。
肉類・乳製品にも若干含まれますが、1日摂取量を補うことは難しいといわれています。

体重を適正にする

体に溜まっている余計な脂肪を減らしましょう。
適正な体重の範囲に入るように、エネルギーの摂取を調整しましょう。

適正体重の計算(kg)


= 身長(m) × 身長(m) × BMI

年齢(才)BMI
18~4918.5~24.9
50~6420.0~24.9
65 ~21.5~24.9